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飯野高広の
“サフィール・タラゴと歩む 革靴さんぽ道”

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飯野高広の
“サフィール・タラゴと歩む 革靴さんぽ道”

公開日:2025/03/07 / 最終更新日:2025/03/06

汎用性が高く使い心地も抜群、SaphirNoir(サフィールノワール) マカダミアローション

革製品のお手入れに汎用性の高いマカダミアローション

仕事柄、シューケア・レザーケア用品のWEBサイトは国の内外を問わず、結構丹念にチェックしてしまう癖がついております。「今日の需要に見合った商品だなぁ…」「こういう色、どんな靴に使うことを想定しているのかな?」などなど、色々と考えるのが大好きでもあります。

 

で、この年始、こちらの「ShoesLife シューズライフ」ページを運営されている株式会社ルボウさんのSaphir Noirの商品一覧ページをふと眺めていると…あれ?こんな商品いつの間に出ている…ならば早速入手して使わないとですよね! ということで今回も新製品「SaphirNoir サフィールノワール マカダミアローション」を早速レポートいたします。

成分は、あの美味しい木の実です

この商品の紹介ページを見てまず驚いたのがはい、ネーミングでした。

「マカダミアって、あのマカダミアナッツが入っているってこと?」

 

その通りで、この木の実から取れるオイルが含まれているのがこちらの大きなポイント。日本でだとマカダミア、「ハワイ旅行のお土産」のイメージがあまりに強烈ではないでしょうか。何を隠そう私(飯野)自身もそう。忘れもしない1979年、勤務先での表彰か何かで父がアメリカ西海岸とハワイを旅した際、お土産で買ってきてくれたチョコレートで初めてその存在を知ったのですが、恥ずかしながら以来、知識がほとんど更新されていませんでした(今でも大好きなお菓子です)。

マカダミアナッツのイメージ

マカダミアナッツのイメージ

sunnysun0804によるPixabayからの画像

マカダミアの木と果実の写真

マカダミアの木と果実

Fabio Romero MartinezによるPixabayからの画像

実はこの木の実、世界的に見ると調理油や化粧品の原料としても多く活用されていて、直接食べるのはあくまで一部の用途なのです。例えば原産地であり現在も主産地であるオーストラリアでは、この抽出油は食用油としてごく普通に用いられています。現地で一時生活していた友人に尋ねてみましたが、「一般的なサラダ油の感覚で、スーパーでごく当たり前に売られている」とのこと。また別の知り合い(女性)からも、クレンジングオイルやブースター(導入液とも呼ばれ、化粧水を付ける前に肌に塗る)には、このオイルが入ったものが最近増えていると教えてもらいました。

 

改めて調べるとマカダミアオイル、まず不揮発性で熱容量が大きい点が特徴に挙げられます。つまり安定性が高く長期の保存に適しており、少量でも効果を十分に発揮するので、文字通り「カラッと美味しく揚がる油」なわけです。また、保湿力に優れ抗炎症作用も高く、浸透性に優れ肌なじみも柔らかい点もメリットで、確かにこれは化粧品向きでしょう。なるほど、前述したものだけでなくベビーオイルやヘアオイル、それに日焼け止めにも含有することが多いのも頷けます。そのような特徴を有したマカダミアオイルを配合した上に、前回の記事「サフィールのユニバーサルレザーローションに『ブラック』が追加」でも説明したビーズワックスやラノリンを加えて新たに登場したのが、この「SaphirNoir(ノワール) マカダミアローション」です。

個人的なおススメ活用、3アイテム

こちら、ポジションとしてはいわゆる「オールインワン」タイプのレザーケア用品。つまり、スムースレザー系ならこれ一本で革の中に適度な水分と油分を補給するとともに、軽い汚れ落とし・つや出しまでこなしてくれる便利なアイテムになります。まずは手に取ってみると…適度にトロッと、過度にシャビシャビもネバネバもぜずに伸びが非常に優れ、確かに肌馴染みが良いというか非常に扱いやすい印象を受けました。様々な革製品に試用してみましたが、個人的には以下の3アイテムには特に適した商品ではないかと考えます。

①茶系の革靴の、特にプレケア

一口に茶系と申しても、キャメル色に近い薄い色味のものから黒に近いものまで、相当レンジが広いですよね。そこで必ず迷ってしまうのがそう、「どの色の靴クリームでお手入れしようか?」ではないでしょうか。
ことさら経年変化が全く進んでいない新品の段階では、「プレケアで下手に変な色になったり、シミを作りたくはない」「もとの色合いをできる限り活かしたい」と思うのは当然のことでしょう。そんな時に活用したいのが、この「SaphirNoir(ノワール) マカダミアローション」です。

飯野さん所有の茶ホールカットでビフォア・アフターを比較します。

写真向かって左(右足)が塗布前、向かって右(左足)がこちらを塗布したものとなります。
後者が必要十分に潤った表情になっているのがお判りいただけるでしょう。写真では表現できませんが、革の柔軟性も明らかに増しました。因みにアッパーの「ムラ」はいわゆる「アンティーク仕上げ」として初めから付いていたものです。

この商品を用いれば初手でしくじらない、つまり変なシミや色ムラは生じない一方でアンティーク仕上げはしっかり維持して、楽しいシューズライフを始めることが可能です。

「お手入れが大変そう」と茶系の革靴を敬遠なされていた方、まずはこちらから使ってみてください。

②コードヴァンの革靴や革製品

この商品は液体だからか、伸びと浸透力が抜群に優れています。それを絶対に活かせるのは…

そう、コードヴァンのお手入れの時です。今でこそそのお手入れには「SaphirNoir (ノワール) コードバンクリーム」を代表に、ピンポイントで最適なものが数多く登場しうれしい限りなのですが、私が若い頃はそれはそれは苦労したのです。お手入れで逆に光らなくなったしくじり多々…

「SaphirNoir(ノワール) マカダミアローション」を用いればそんな余計な苦労から確実に、解放されます。

飯野さん所有のコードヴァン靴の画像

向かって左(右足)が塗布前向かって右(左足)がこちらを塗布後になりますが、どうでしょう? 違いが圧倒的ですよね。
驚くほど光沢が蘇りましたし、コードヴァンならではのあのモチモチ感も回復しているのが、こちらは画面からも確実に伝わってきます。液体だからこそ、細かな凸凹が多いコードヴァンの表面を簡単かつ均質に寝かせて得られた輝きといえるでしょう。
この後、お好きな方はワックス界の不朽の名作・「SaphirNoir サフィールノワール のビーズワックスポリッシュ」で、思う存分鏡面磨きしてください。いや、これだけでも普通の人なら十分ご満足いただける光沢とふっくら感ではないかと。

汚れ落としの効果まで考えると靴だけでなく財布など、コードヴァンの革小物のお手入れにも向いていると思います。

③ブライドルレザーの革製品

革の中から外まで油分・蝋分をガッツリ含めて鞣すブライドルレザー。新品の段階でそれらが析出する白い粉=ブルームが、今日では一種のアイコンにまでなっています。元来が馬具向けのため、とにかく堅牢なのが取り柄。ただしお手入れ用品を間違えてしまうと、変なシミが生じたり拭き取りに多くの時間が割かれてしまう、繊細ではないものの扱いが何気に厄介な革でもあります。

 

実はこれにも、「SaphirNoir(サフィールノワール) マカダミアローション」が有効に作用します。

SaphirNoir サフィールノワール マカダミアローションをブライドルレザーに塗布して検証

向かって左が塗布前向かって右がこちらを塗布した後の状態です。革に潤いが確実に増しているのが一目瞭然です。

何度も書きますが何せ液体なので、均質に伸びて浸透力が抜群。このようなブリテッシュタン色(薄茶)のものは、経年変化がダントツに味わえる一方でちょっとしたことでシミが生じやすい色でもあるのですが、それも全く見られない点でも実力がわかるというもの。そして固形のお手入れ用品に比べて塗布後の乾拭きが圧倒的に簡単で、拭き取り跡も残らないのが有難い。

これなら財布のような革小物だけでなく、ダレスバッグのような大物も面倒臭さがらずにお手入れできるぞ!

SaphirNoir レザーバームローションとの違い

ここでサフィール大好きな読者の皆さんから、意地悪な質問が飛んでくる予感が… 

SaphirNoirには、似たような商品で『レザーバームローション』というのも以前からあるけど、何が違うの?」 

 

はい、私も気になっていましたそれ。 

SaphirNoir サフィールノワールの定番商品、レザーバームローションの画像

簡単に言うと従来のレザーバームローションに配合されていたミンクオイルに代わって、こちらのマカダミアローションではマカダミアオイルが配合されているのが大きな違いです。動物性の油分か植物性の油分かの差ともいえるでしょう。試しに双方を使い比べたのですが、塗布後の表面の光沢や潤い、それに乾拭きで光沢の出る時間などには違いが見られませんでした。そして香りもほぼ同じなので、塗布した後はどちらを用いたのか、正直全くわからない… 

 

ただし、あくまで個人的な感触なのですが、今回のマカダミアローションの方が、質感が僅かにサラッとしている印象を受け、その分伸びも良好に感じました。あと、液体としてはほぼ同じクリーム色なのですが、レザーバームローションのほうが黄みが若干強く、マカダミアローションは白みが強いです(どちらも塗布後は無色透明になりますのでご安心を)。が、これらはどちらが良い・悪いのレベルではないですね。用途も同じなので、使い心地のお好みで選んでいただければ宜しいのではないかと。 

 

 

いかがでしたでしょうか。革靴のプレケアだけでなく、コードヴァンやブライドルレザーのお手入れにも最適なSaphirNoir(ノワール) マカダミアローション」は、革靴も革製品も大好きなら一本持っていて損はしない、「わからなかったらまずはコレ」的に使える商品と断言できるでしょう。 


SaphirNoir(サフィールノワール) マカダミアローションの購入はこちら

 

SaphirNoir(ノワール)マカダミアローション
SaphirNoir(ノワール)マカダミアローション
皮革をしっとりやわらかく保つ“マカダミアオイル”配合


 
  • 服飾研究家

    飯野 高広 Takahiro Iino

    1967年東京生まれ。大学卒業後大手鉄鋼メーカーに11年勤務したのち、服飾研究家として独立。この分野では出身がファッション業界でもメディア業界でもない特異な存在としても知られ、紳士靴やスーツなど主に男性の服飾品全般を、ビジネスマン経験を活かした楽しくかつ論理的な視点で解説するのが特徴。
    出版では、紳士靴関連では2010年に出版した『紳士靴を嗜む:はじめの一歩から極めるまで』(朝日新聞出版)が今日まで版を重ねるロングセラー。紳士服関連でも2016年に出版した『紳士服を嗜む:身体と心に合う一着を選ぶ』(朝日新聞出版)が類書に無い内容の濃さで好評を博している。
    近年はWEBやTVにも活躍の場を広げており、2015年にはTV番組「マツコの知らない世界」に「靴磨きの世界」のガイド役としても出演。NHKテレビ「美の壺」では2018年11月放送の「粋を極める 男の靴」の回に出演、2023年12月放送の「品格をまとう スーツ」の回でも総合監修を行った。また、2006年から専門学校で近現代ファッション史の講義も担当し、スタイリスト業界に中心に多くの教え子を輩出し続けている。

Le Beau
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