Featured Staff
サフィールオフィシャルアドバイザーの
ワンポイントアドバイス
ハンズ名古屋店の靴磨き用品コーナー担当者のおすすめ情報をお届けします。
ハンズ 名古屋店 担当:植田
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サフィールオフィシャルアドバイザーのワンポイントアドバイス
ハンズ 名古屋店の靴磨き用品コーナー担当者のおすすめ情報をお届けします。
ハンズ 名古屋店 担当:植田
前回、サフィールのレノベイティングカラー補修クリームと木工用ボンドを混ぜた“即席カラー補修パテ”を作り、深い傷に塗り込んで乾燥までを行いました。
▼前編はこちら
さて、あれから24時間。
いよいよ結果発表です。
まず触ってみた第一印象。
おっ、思ったよりしっかり革に定着しています。
表面はツルッとではなく、ややマットな質感。
しっかり乾燥させたおかげで、「ボンド入れたらペタペタするかも…固くなるのかも…」との心配はないようです。
乾燥後の表面を#400のサンドペーパーで削り、平らにします。
革の銀面はなるべく削らない様に仕上げました。
部分的に盛り上がった箇所もキレイに均せて、補修跡も自然に。
次は、「SAPHIR(サフィール)レノベイティングカラー補修クリーム」を水で伸ばして平筆を用いて補色していきます。
だいたい、【 クリーム:水=8:2 】くらいの割合でしょうか。
クリームと水の割合は塗布しながら様子を見て調整します。
レノベイティングカラー補修クリームは、木工用ボンドの乾燥面にも色付けができました。
「TARRAGO(タラゴ)ウォーターベースラッカー マット(艶消し)」を塗布。
色止めのためと、元々の革との質感を合わせるため、ウォーターベースラッカーを使用します。
ツヤを出す「グロス」とツヤなしの「マット」の2種類あるうち、ツヤのない革だったので、マットタイプを使用しました。
TARRAGO(タラゴ)ウォーターベースラッカー マット(艶消し)
ウォーターベースラッカーの乾燥後に、「TARRAGO(タラゴ)ミンクオイル」で仕上げました。
TARRAGO(タラゴ)ミンクオイル
タラゴのミンクオイルで仕上げたかかと部分
かかとのキズ埋め部分はかなり目立たなくなりましたが、履きしわのひび割れはこんな感じで完全修復はややイマイチか……。
深いひび割れ部分は、木工用ボンド以外で別途接着する必要がありますが、革の柔軟性は損なわれておりません。
とはいえ、木工用ボンド自体は水溶性で「水にはあまり強くない」ので、今後の使用環境によっては注意が必要です。
ウォーターベースラッカーを使用したのは耐水性を上げるためでもあるのですが、“完全防水”とはいかないので、乾いた天気の普段履きくらいなら問題なさそうです。
機会があれば、ハンズスタッフTさんの使用後の感想をお伝えします。
結論として、
「レノベイティングカラー補修クリーム × 木工用ボンド」
=応急的な色付きパテとしては十分使える!しかし革のひび割れにはちと難ありかな?
という手応えでした。
今回の方法なら、比較的手軽に“色つきで埋める”ことが可能。
以前紹介した、革製品の補修用パテ「TARRAGO(タラゴ) フィリングペースト」は、傷・溝を埋めるパテの役割としては優れていますが、めくれやはがれを接着する力が弱く、先に別のボンドや接着剤で補修をしておく必要があります。
▼フィリングペーストについての記事はこちら
今回試した木工用ボンドを用いた”即席カラー補修パテ”なら、多少のめくれやはがれなら接着しながら色もつける、といったことができそうですね。
もちろん、オフィシャルな使い方ではないので「自己責任」にはなりますが、処分を考える前にちょっと試してみる価値はあるかもしれません。
しかし、こんなことにならぬよう普段からもっと靴に心を配り、丁寧にシューケアしていきたいものですね。
ということで、実験レポートはここまで!
もし「自分でもやってみたい」「この素材どうなんだろう?」という方がいれば、ぜひ気軽にご相談くださいね。
ハンズ名古屋店まで買いに行けない……という方はこちらで購入できます。
ハンズ名古屋店 靴・レザーケアコーナー
植田 晃史 Koji Ueda
だーうえこと植田晃史さんは愛知県在住。落語と映画鑑賞が趣味。20年ほど靴の販売員として従事されていた経緯を持ち、2015年より東急ハンズ名古屋店にてサフィール専属スタッフとして売り場に立つ。
来店されたお客様の綺麗に手入れされた靴を見て興味を持ち、シューケアをしながら愛着を持って長く履くという考えに共感したことがきっかけでサフィールに出会う。
モットーは「お客様と噛み合った接客」。豊富な経験に基づいたアドバイスを致します。
ハンズ名古屋店のサフィール専門スタッフ だーうえが、プロの目線で考えついた“新たな革靴のキズ補修方法“に挑戦したレポートの後編。今回は、レノベイティングカラー補修クリームと木工用ボンドを混ぜた“即席カラー補修パテ”を深い傷に塗り込み、乾燥させた後のプロセスとビフォーアフター、総評をお届けします。